インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
B.技術とプロジェクト
弾性材付きPCマクラギ挿入による構造物前後の列車動揺抑制効果に関する研究
小林 聡一原田 泰彦
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2022 年 1 巻 1 号 p. 207-212

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抄録

 中央本線下り松本踏切付近にて,2019年度の列車動揺検査(上下動揺)で7回の基準値超過(全振幅0.25g以上)が発生した.上下動揺の基準値超過が発生後の修繕は総つき固めが主な施工となり,基準値超過を抑制するためには抜本的な施工が必要と考えられる.構造物前後の列車動揺の抑制のための施工の一つに,PCマクラギの下面に弾性材を取り付けた弾性PCマクラギへの交換がある.しかし,弾性PCマクラギと列車動揺の推移に関する知見は確認できなかった.そこで本研究では,列車動揺検査における基準値超過が繰り返し発生している箇所に対して,踏切前後に弾性材付きPCマクラギを敷設した際の状況を確認すると同時に,繰り返し修繕を実施していた際の施工費用と比較してどの程度の優位性があるかを検討した.その結果,列車動揺の抑制に弾性材付きPCマクラギは有用であることがわかり,長期的な目線ではコストダウンに繋がることがわかった.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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