インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
B.技術とプロジェクト
高感度磁気非破壊検査による鋼製橋脚の地際下の腐食損傷の検出に関する基礎検討
大西 泰生石川 敏之塚田 啓二
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2022 年 1 巻 1 号 p. 297-305

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抄録

 本論文では,高感度磁気非破壊検査(ELECT)を用いた鋼製橋脚の地際下腐食の検出を目的として,断面欠損を模擬した板厚12mm,19mmの鋼板に対して,ELECTによる断面欠損の検出の評価を行った.その結果,板厚が12mm,19mmの場合も,地際部から10mm程度下の範囲において,残存板厚が50%程度以下であれば,信号強度が大幅に低下した.残存板厚が75%の場合,地際部から10mmの位置の差分の信号強度の低下が小さいが,地際部から鋼製橋脚軸方向に数か所計測し,低周波の差分の信号強度から,鋼製橋脚の地際下腐食を検出できると考える.ELECTの計測の裏側に欠損が生じた場合に対しても,残存板厚が50%以下の場合に差分の信号強度の変化から腐食を検出できることを明らかにした.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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