2022 年 1 巻 1 号 p. 80-86
地方道路の維持管理において,予算と時間の削減要求や技術者の不足の課題が挙げられる.これらの課題を解決するためには,損傷や苦情発生時に道路状況を即座に確認すること,定期点検の実施間の不具合や損傷を頻繁に確認すること,および,業務知識の引き継ぎや人材育成を行うことが必要である.
本研究では,道路舗装面と道路構造物の適切な点検と維持・修繕を支援するために,市販のビデオカメラを車の前方に取り付けて路面と周辺の道路構造物を撮影し,その位置情報付きの映像を三次元可視化ソフトにて表示するシステムを開発した.道路管理者は,システムを利用し,苦情発生箇所の状況確認,損傷箇所の登録や注視すべき点の指摘などを行うとともに,知識の引き継ぎを図る.