2005 年 2005 巻 782 号 p. 782_31-782_50
石礫を用いた透過水制の水理設計を目的として水制周辺と内部の流動構造を検討した. 捨石堰を越流・透過する一次元流れの解析モデルを拡張して, 水制が設置された二次元開水路流の解析モデルを構築した. 開水路と捨石多孔体からなる二層流を仮定し, 流れの連続性と運動量保存を定式化した. 水制内の運動量保存は, 粒径や間隙率など材料特性を考慮した多孔体乱流の非線型抵抗則を用いて記述された. 水制の越流部では, 水制天端を通しての質量・運動量交換が考慮された. 水制周辺の流速や水位の分布に関して数値解析と水理実験が比較され, 本解析の妥当性が検証された. 水理実験では計測できない水制内の流れや流体力の特性についても本解析によって情報が得られた.