2005 年 2005 巻 782 号 p. 782_81-782_91
近年, 河川における生態系の維持, 保全が重要視されるようになってきたが, 依然として魚類の生息, 生育に関する種々の問題は生じている. その中で魚類の迷入は早急に解決しなくてはならない問題の一つである.
著者らは実魚を用いた模型水路の実験から, アユは (1) 走流性が強い. (2) 壁際に沿って遊泳遡上する, (3) 日陰を好むという結果を得た. また複数のリボンを流水中に浮遊させることが迷入防止に有効であるという結果を得た. 以上の知見を用いて, 流れの解析モデルと併せて魚の挙動追跡モデルを開発し, 魚の行動特性を十分配慮した魚にやさしい迷入防止装置の設計方法を構築した.