2005 年 2005 巻 784 号 p. 784_189-784_204
本研究は, 優先順位決定問題における主観性を柔軟に処理する一手法として, 遺伝的アルゴリズム (GA) を援用した一対比較型ニューラルネットワークを提案し, 斜面崩壊対策問題に適用を試みたものである. まず, 基礎的な数式例題や既存優先順位問題に適用して, 提案法が現行の優先順位と同等の評価が可能であることを示した. そのうえで, 提案手法の柔軟性を確かめるために, 実技術者の価値観を反映した優先順位の決定および価値観の数値化を試みた. さらに, 技術者の価値観の時間変化や複数技術者間の差異を確認したうえで, 合意形成支援ツールとしての適用性について検討した.