2005 年 2005 巻 789 号 p. 789_15-789_25
粒子を伴う流れにおける粒子と流体の相互作用を評価するには, 粒子と流体の同時計測が必要となる. そこで本研究は, 滑面開水路流れにおける粒子と流体の挙動を投影面積判別法を用いた粒子軌道追跡法 (PTV) により同時計測を行った. 画像解析を行う際, 投影面積にしきい値を設け, 粒子と流体の判別分離を行った. これにより底面近傍の同時計測が可能であった. その結果, 粒子を伴う流れのカルマン定数が, 粒子濃度の増加に伴い減少した. また, 対数則領域より上部領域では粒子速度が流体速度よりも低速となり, 一方, 底面近傍では粒子速度が流体速度よりも高速となった. これは粒子・流体の相互作用が底面近傍で激変することを示唆しており, 粒子を伴う開水路流の高精度なモデル化に重要な知見である.