2005 年 2005 巻 794 号 p. 794_115-794_129
仙台市圏に展開されるアレー観測システムSmall-Titanの強震記録を用いた計測震度の統計処理による「揺れ易さ」のゾーニングと, PS-P時間のゾーニング構築について述べられる. 仙台市圏の「揺れ易さ」分布は, 地盤との相関がみられる一方で, 表層地盤だけでは説明できない領域も存在する. そこで, 深い地盤構造の影響を把握するために, レシーバー関数とコンプレックスエンベロープに着目しPS-P時間を算定する手法が提示される. 両手法の妥当性については, (独) 防災科学技術研究所KiK-net仙台観測点の地盤資料をもとにした理論走時と同観測点の観測記録から算定したPS-P時間とを比較することで判断される. 最終的に2つのゾーニングの相関性から, 仙台市圏のサイスミックソーニングについて考察がなされる.