2005 年 2005 巻 795 号 p. 795_127-795_143
近年の耐震設計基準の改訂に伴い, より大規模な地震動を考慮するようになり, 橋脚フーチングに生じる設計せん断力は従来よりも大きくなる傾向にある. 一方, フーチングにスターラップを用いた場合のせん断補強効果は十分明らかになっておらず, 設計ではその効果が無視されており, 不合理な設計となっているのが現状である. そこで本論文では, スターラップを配置した杭基礎フーチングのせん断補強効果を明らかにするため載荷実験を行った. そして, フーチングはせん断スパン比の小さい面部材であることから, 耐荷機構の類似しているディープビームのせん断耐力算定式を基本とし, 仮想破壊線に沿って有効幅内で積分する方法を提案し, 杭基礎フーチングのせん断耐力を妥当に評価できることを明らかにした.