抄録
本研究では, 寒波に見舞われた2000年と2001年の冬季に寒冷地の高速道路で測定した縦断プロファイルを解析し, 凍上によってラフネスが増大した高速道路の縦断プロファイル特性を明らかにすることを目的とした. 冬季におけるIRIの変動を解析した結果, 切土部における冬季IRIの増加速度は凍結速度に依存すること, およびIRIの冬季最大増加量と最大切土高さには相関があることが分かった. また, 切土部では, 凍上によって縦断プロファイルに含まれる波長5.7m以上の長波長成分が増加し, その増加速度は凍結速度に大きく影響されることが分かった. さらに, 凍上によって増加する長波長成分の中でも波長5.7~22.6mの成分の増加が冬季のIRIおよび舗装に作用する動荷重の増加をもたらすことを明らかにした.