2005 年 2005 巻 804 号 p. 804_33-804_42
廃棄物系バイオマスのメタン発酵反応槽における微生物の群集構造を把握することを目的として, 基質 (搾乳牛ふん尿, 余剰汚泥およびジャガイモ加工廃棄物), 発酵温度, 滞留時間が異なる反応槽についてPCR-DGGE法を用いた解析を行った. 中温発酵と高温発酵の微生物群集構造は基本的に異なっている. 同じ基質, 同じ温度条件では, HRTの変化による真正細菌と古細菌への影響が少なかった. また, 同じ高温種汚泥に対して異なるバイオマスで馴致した結果, 真正細菌が基質に左右されたが, メタン生成古細菌は類似しており, 高温性酢酸資化性メタン生成古細菌のMethanosarcina thermophilaと高温性水素資化性メタン生成古細菌Methanoculleus thermophilusがよく存在した.