土木学会論文集
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和文論文
有効応力に基づく土の三軸方向への凍結線膨張率
上田 保司生頼 孝博田村 武
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2005 年 2005 巻 806 号 p. 806_67-806_78

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抄録

凍結中に応力が変化する場合の土の三軸方向への凍結線膨張率を, 三軸応力下での凍上実験から調べた. その結果, 特に拘束応力が小さい場合, 凍結中の間隙水圧の低下に伴う等方的な有効応力の増加によって, 熱流およびその直角方向への凍結線膨張率は小さくなることがわかった. また, 熱流方向の凍結膨張圧によって, 熱流方向への凍結線膨張率は小さくなり, 直角方向への凍結線膨張率は大きくなった. さらに, 凍結中の未凍結領域の圧密のために, 軟質土における熱流方向への凍結線膨張率は, 硬質土よりも小さくなった. 凍結工法における地盤変形予測精度を改善するため, 既存の三軸凍上実験式にこれら因子を取り込んで, 凍結線膨張率をモデル計算した. この計算の妥当性を, 実験値と計算値との比較から確認した.

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© 2005 公益社団法人 土木学会
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