土木學會誌臨時増刊号 論文集
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素掘坑の強さに關する彈性學的考察 (上)
岡本 舜三
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1949 年 1949 巻 3 号 p. 60-79

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抄録

素掘坑道の周邊に外力により亀裂が出來る場合に, (1) 亀裂は孔のふちのどこから發生するか, (2) どの方向に進むか, (3) 亀裂の進む方向の急に變るのはどんな機構によるか. の三問題を主として彈性學を應用して考察した. このために寒天と砂を混ぜた材料に抗道形の孔をうがち, これを壓縮した際に生ずる亀裂を調べその位置を彈性學により計算した應力と比較して次のことを示した. (1) 坑のふちの應力の最大なる位置及坑のふちにそう應力の變化の大なる位置には亀裂が發生する. (2) 坑力が破壞條件をみたす區域は外力の増加とともに擴がるが. 外壓力がある大さに達すると. この區域が一方向に特に著しく長くなることがあり. こうゆう時に長い亀裂がこの方向に出來る. (3) 亀裂の進む方向が急に變るのはその先端に應力集中現象がおきるためである.

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