土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
釧路市民に対する地震防災アンケート調査
山崎 文雄副島 紀代目黒 公郎片山 恒雄
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 1995 巻 507 号 p. 265-277

詳細
抄録

釧路沖地震後の釧路市1,000世帯に対し, 日頃の地震対策, 釧路沖地震による家庭での被害やライフラインの停止状況などを尋ねるアンケート調査を実施した. その結果を見ると, 家屋の構造被害が約半数にも上り, 家具の転倒や照明機器の落下・破損が20%を越えるなど, 被害の大きさが明らかになった. また被害発生の比率は傾斜地, 台地, 平坦地の順に大きく, この地震による揺れと地形が関係深いことが示された. ライフラインの停止は, 停電が約半数, 断水が約1/3, ガスの停止が2割強の家庭で発生し, 電話は輻輳状態となった. しかし住民の困惑度は, 停止の有無より継続時間により影響されることが示された. ライフライン停止の許容時間は半日以内という回答が多く, 許容時間は電力, 電話, 水道, ガスの順に短かった.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top