1996 巻 (1996) 541 号 p. 241-246
本研究では, 現位置での重錘落下振動実験で観測される地表面の鉛直加速度の時刻歴から, 地盤のせん断波速度ならびに減衰定数を推定する逆解析手法を開発し, いくつかの地盤に適用した結果を検討する. 逆解析においては, 地盤を線形弾性体と仮定し, 振動実験による地表面の鉛直観測加速度と, 動的有限要素法を用いて求められた計算加速度を, 周波数領域において比較し, 両者の誤差二乗和を最小とするような動的物性定数を探索する. この逆解析手法を実地盤に適用した結果, 比較的単純な地層構成の地盤に対しては, その振動特性を精度良く再現できる物性定数が推定できること, 逆解析法に基づく剛性係数および減衰係数は振動三軸試験で求まる微小ひずみレベルの値に近いことなどが確かめられた.