抄録
アシ原において現地観測を行い, アシの振動と風速変動, 運動量フラックス, 気温変動等を測定した. その結果, 穂波は大きな運動量輸送 (スウィープ) と同時に発生しており, その成因が流れの変曲点不安定に起因する組織渦の通過であることが確認された. また, アシの振動のスペクトルは穂波の周波数にピークを持ち, 高周波域では急速に減衰する形状を有していた. 実植生の形状を考慮した植生の振動方程式を用いて不規則応答解析を行った結果, アシの振動のスペクトルとスペクトル解析から求められるスペクトルが関係付けられた.