多目的ダム事業を代表とする水資源開発事業は複数の主体から成る共同プロジェクトである. 事業に対する緊急性やどのような順序で主体が参加するかという点に関して各主体の優先性の差異が著しい場合は, 優先性を反映した費用配分法の適用が望ましい. 我が国においては優先支出法の適用による費用配分が認められているが, 実際上, 理論上その適用については十分な検討が行われていない. そこで本論文では主体間の優先性を考慮した費用配分問題についてゲーム理論を援用して検討する. その際, 優先性を明示的に考慮できるように「仁」の定義を修正した「順序仁」「期待順序仁」を提案する. さらに, 加重シャープレイ値との関係についても考察し, 提案した手法の適用可能性について基礎的検討を行う.