抄録
明石海峡大橋主塔基礎は海面下60mを支持面とする, 直径80m高さ70m体積35万m3の直接基礎であり, 施工上の最大の難関は水中コンクリートの全形型枠となる総重量1万9千tf (18万6千kN) のケーソンの設置であった. 明石海峡は最大潮流速が8knを超え, しかも1日あたり1400隻の船舶が航行する海上交通の要衝の地であり, ケーソンの設置にあたっては, 強大な外力に対抗するための設備の大型化とともに正確さと迅速性の確保が課題であったが, 設置誤差10cm以下で設置することができた. 本文では, ケーソンの設置にあたって, 何が問題であり, それをどのように解決したかについて述べる.