土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
農耕地河川におけるChl-a流出負荷量の評価
井上 隆信海老瀬 潜一今井 章雄
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 1998 巻 594 号 p. 11-20

詳細
抄録
農耕地河川の涸沼川における藻類の流出特性をChl-aを指標として, 2年半の毎週調査と季節ごとの詳密調査をもとに明らかにした. 流量安定時のChl-a濃度は, 水温が高いほど, 前回降雨からの経過日数が長いほど高くなった. 降雨に伴う流量増大時には, 先行晴天日数が長いほど濃度が高くなる傾向が見られた. 種々の推定法を用いてChl-a年間流出負荷量の算定を行った結果, 懸濁態の炭素・窒素・リンの流出負荷量に対して藻類の占める比率は, それぞれ13%・23%・7.8%になり, 藻類としての流出負荷量は無視できない結果となった. 藻類の増殖時には溶存態の窒素・リンを摂取しているので, 溶存態の窒素・リンの流出負荷はそれぞれ3.6%・31%減少していることになり, このことからも藻類の流出負荷量が重要であることが明らかになった.
著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top