抄録
多数の人命が奪われた近年の悲惨な事故によって, 道路および鉄道トンネルを利用した旅行の安全に人々の注目が集まっている. 多くの人がトンネルの安全性の基本は防災システムによる対策だと考えているが, トンネル内走行に関する事実や問題点を調査した結果, 問題点および解決法は基本的な土木工学設計に関係していることが明らかになっている. トンネル利用者に十分な水準の安全性を提供するためには, トンネルの設計および運営の簡易化への要件と, 設計に非常に重大な影響を及ぼす可能性がある避難通路や換気設備といった安全システムの規定に対する要件とのバランスを図ることが必要である. これらのシステムは費用がかさむため, トンネル延長や交通機関の種類, および事故原因の種類によっては, 常に適切に利用できるとは限らない. トンネルの安全設計を合理的なものにするために, リスク評価手法が使用されることが増えている. 本論文では, リスク評価型の設計手法に関連する問題点を記述し, トンネル本体およびトンネル全体の土木・機械設備設計に影響を与える主要因のいくつかについて述べる. 特に, 最近の事業を例に取り, 鉄道トンネルにおける単設トンネルと双設トンネルの選択, 避難方法, 設計火災 (design fire), および換気に注目した.