2002 年 2002 巻 709 号 p. 39-49
本研究では, 自動車関連税制が乗用車の保有・利用, そしてその結果として燃料消費量に及ぼす影響を総合的に把握するための方法論を提案する. 交通以外の財や公共交通を考慮した世帯の乗用車の保有および使用行動, 自動車メーカーの新車供給行動, そして走行環境 (移動速度), およびそれらの間の相互作用を表現する必要があることを指摘し, そのモデル化を行う. そのモデルを用いて税率や税収の使途を変更するシミュレーションを行い, 燃料への課税が燃料消費量の削減に有効であること, さらに税収の使途を公共交通や自動車メーカーへの補助に充当することにより一層削減可能であることを示す.