2003 巻 (2003) 726 号 p. 73-85
広く外洋に面した港湾では, 多峰型方向スペクトルが予想以上に多く現れることが明らかになっている. 多峰型方向スペクトル波を単峰型として扱うと, 港内静穏度などの解析結果に大きな誤差を含む可能性がある. 本研究では, 御前崎と御坊, 高知沖における1年間の波浪観測データを用いて, 多峰型を含む方向スペクトルの出現特性を調べるとともに, 多峰型方向スペクトル波が出現する原因を明らかにするために, 気象配置と波浪の関係についても調べている. その結果, 太平洋側で観測される多峰型方向スペクトル波は, 周期の長いS波 (南方向からの波浪) と短いS波や観測点付近で発達した風波が周辺の地形の影響を受けることによって出現することがわかった.