2003 年 2003 巻 729 号 p. 73-86
既設トンネル上部の近接盛士や構造物基礎の設置によるトンネル覆工への影響評価法を確立することを目的として, 二次元平面ひずみの載荷・除荷模型実験装置を用いて, 部分載荷実験を行った. 実験の対象地盤は, 初期剛性が大きく粘着力cが卓越する低強度モルタル地盤と, 初期剛性が小さく内部摩擦角φが卓越する乾燥砂地盤の2種類である.
実験の結果, 部分的な上部載荷による地盤の非線形な変形挙動と, この地盤挙動との相互作用の結果として生ずるトンネル覆工の変形挙動の特性が明らかになった. さらに, FEMによる実験結果のシミュレーションを行い, 影響予測の実務に適した地盤およびトンネル覆工のモデル化の考え方を提案した.