2004 年 2004 巻 774 号 p. 59-72
UBRC橋脚構造では, アンボンド処理を施した高強度鉄筋を, 通常の鉄筋コンクリート橋脚断面内に配置することにより, その復元力特性に安定した正の二次剛性を付与することができる. ただ, 芯材に対するアンボンド処理の実施は橋脚の建設時における費用の増加や施工性の低下に繋がる. そこで, 本研究では, アンボンド処理を施していない高強度丸鋼を配置したUBRC橋脚について, 正負交番載荷実験を行い, 芯材の付着から剥離に至る特性が橋脚の構造特性に及ぼす影響を明らかとした. また, 芯材の付着特性を考慮したファイバーモデル解析により, 芯材の付着剥離過程を再現すると共に, 芯材の付着特性に関するパラメトリック解析を行い, 芯材の付着特性を変化させることがUBRC橋脚全体の復元力特性に及ぼす影響を明らかにした.