土木学会論文集
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ライフサイクルCO2を考慮した合流式下水道越流水対策施設の評価
雨水滞水池を事例として
尾崎 平和田 安彦村岡 基
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2004 年 2004 巻 776 号 p. 71-82

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抄録

合流改善対策として, 雨水滞水池がない場合 (ケース(1)) と, 雨水滞水池容量の異なる5ケース (ケース(2)~(6): 滞水池容量10,000m3~50,000m3, ケース毎に10,000m3ずつ容量増加) を設定し, 汚濁負荷削減効果とライフサイクルでのCO2排出量を定量した. その結果, 滞水池容量当たりの汚濁負荷削減量はケース(2)が最も多く, 滞水池容量当たりのCO2排出量ではケース(6)が最も少ない. しかし, 事業実施により得られる効果に加え, これに伴うCO2排出量も考慮した評価では, 越流負荷削減量とCO2排出量の両面でバランスのとれたケース(3)が最も効果的となった. 今後, 持続可能な社会システムを構築していくために, 今回適用したCO2排出量も考慮した評価指標は, 事業選定の際に重要なものとなり得る.

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