65 巻 (2009) 4 号 p. 898-914
鋼部材が保有する耐震性能は最大水平荷重程度までの領域では繰返し塑性履歴の影響をほとんど受けない一方,ファイバーモデルによる鋼骨組構造の耐震性能照査法として提案されているひずみ照査法の照査指標であるひずみは,繰返し塑性履歴の影響を受けやすいことが既往の研究で報告されている.従って,ひずみ照査法では非線形時刻歴応答解析において繰返し塑性履歴を受ける鋼部材の耐震性能を適切に評価できない可能性がある.本論文では,繰返し塑性履歴の影響を考慮した耐震性能照査法の開発を目的に,繰返し塑性履歴を受けにくい曲率および断面力を照査指標としたひずみ換算曲率照査法,断面力照査法を提案し,それらの妥当性を確認した.さらに,2軸曲げやねじりを受ける鋼部材に対する断面力照査法の適用の可能性,有効性について検討を行った.