鉄道をはじめとした交通施設では,竜巻などの局所的気象現象が大きなリスク要因となっている.そこで,本研究では,竜巻による被害軽減を目的としたリスクマネジメントの一方策として,直前検知による車両の緊急制動への応用を念頭に,移動体上風センシングによる竜巻検知を提案し,その適用可能性について検討した.具体的には,竜巻の風速分布として現象論的な渦点モデルを採用し,移動体との相対関係による最大風速ならびに最大風速発生時刻を移動体上の風速風向計測から推定する方法を構築した.また,実際に計測された,竜巻通過時における風向風速時刻歴記録に本方法を適用し,その有効性を検討した.