2016 年 72 巻 1 号 p. 1-12
本研究は,広域的な連携をベースに保全のあり方を考える基礎研究として,以下の2点を目的とした.1)徳島県全域を対象に,棚田・段畑の石積みの保存状態の現状と技術継承の実態を明らかにすること.2)石積みの技術を明確にし,技術の違いや汎用性を明らかにすること.その結果,高齢化や過疎化による労力不足や後継者不足で,棚田や段畑の石積みの維持・保全ができていない地域が多いこと,石積みの基本は共通しており,石の特性の違いを知り,山石で積む技術を習得すれば,県内全域で積むことが可能であることが明らかとなった.