土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.18(特集)
有限要素法による高速亀裂伝播の再現解析に関する基礎的検討
柳本 史教柴沼 一樹鈴木 克幸
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 71 巻 2 号 p. I_29-I_38

詳細
抄録

鋼構造において,脆性破壊は高速で伝播し,構造物全体に致命的な損傷を与える可能性が高いが,その支配方程式は明らかにされていない.近年では局所限界応力モデルに基づく検討が多くなされているが,それには亀裂先端近傍の応力や塑性ひずみの正確な評価が必要である.そこで本研究では有限要素法を用いた亀裂先端近傍場の性質の評価を実施するために動的2次元平面ひずみ問題を対象とした基礎的検討を実施した.まず,節点力解放法による動的亀裂伝播について弾性問題を対象とした検討を行い,適切な亀裂伝播のモデル化手法を明らかにした.さらに,降伏応力のひずみ速度および温度依存性を含む材料非線形性を考慮して系統的な動的亀裂伝播解析を実施し,従来未解明であった動的亀裂伝播の速度履歴や温度勾配が亀裂先端近傍応力に与える影響を明らかにした.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top