土木学会論文集C
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和文論文
低拘束圧下における堆積軟岩空洞の破壊現象の考察
冨田 敦紀蛯名 孝仁戸井田 克白鷺 卓岸田 潔足立 紀尚
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2007 年 63 巻 4 号 p. 1054-1064

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抄録

 堆積軟岩に掘削した余裕深度処分埋設施設の試験空洞掘削時に Spalling が確認された.この Spalling の発生要因 · 破壊メカニズムを検討するために,空洞掘削時の応力径路を模擬した要素試験および空洞掘削後の岩盤応力の測定を行った.応力径路模擬試験結果の破壊モードは,低拘束圧域では割裂破壊,高拘束圧域ではせん断破壊であり,これらを説明する破壊規準の検討を行った.一方,空洞掘削後の岩盤応力測定結果では,空洞周辺岩盤の応力場は岩盤掘削による応力解放に伴い空洞半径方向の応力が低下して一軸応力状態に移行しており,Spalling は低拘束圧状態での誘発応力に起因する割裂破壊あるいは引張破壊であることが確認された.

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© 2007 社団法人 土木学会
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