2010 年 66 巻 4 号 p. 742-756
メタンハイドレート(以下MHと略す)が存在している南海トラフの堆積土を模擬したMH生成砂に対して深海底を想定し,MH飽和率・温度・間隙圧を制御して一連の圧密排水三軸圧縮試験を行った.その結果,MH生成砂の三軸圧縮強度には,MHの固結力による強度増加がみられ,その強さは,MH飽和率の増加・温度の低下・間隙圧の増加と共に高くなることが明らかとなった.さらに,2003年南海トラフでの基礎試錐により採取されたMHを含む不撹乱砂試料に対してK0圧密排水三軸圧縮試験を実施し,その圧縮せん断強度を求めた.その結果,MHを含む不撹乱試料の強度が評価され,模擬試料と同様MH飽和率・有効拘束圧による変化傾向が明らかとなった.