2016 年 72 巻 2 号 p. I_122-I_139
国際海事機関における国際海上交通簡易化条約付属書の改正やASEANシングルウィンドウの進展など,港湾行政手続の電子化が世界的に加速している.近年,わが国でも港湾行政手続を処理する情報システムである港湾EDIシステムについて,国際展開に取り組んでいるところであり,今後も,港湾EDIシステム未導入国からの開発支援の要望がさらに高まることが期待される.そこで本稿は,港湾EDIシステムを巡る世界の動向やASEAN諸国における港湾EDIシステムの導入可能性,わが国の港湾EDIシステム国際展開第一号案件であるミャンマーの事例の整理・分析を通し,港湾EDIシステムを国際展開する際に考慮すべき点についての示唆を整理する.