2016 年 72 巻 2 号 p. I_93-I_102
本研究では,ひび割れ抽出ソフトにおいて,ユーザが処理対象であるコンクリート壁面画像中の任意のひび割れ部分を指示することで,より効率的に処理対象画像に適した画像処理パラメータを設定することを可能とする手法を提案する.なお,ひび割れ抽出ソフトとは,著者らが開発した,コンクリート壁面をデジタルカメラなどで撮影したデジタル画像より,ひび割れを画像処理を用いて効率的に抽出するソフトである.本提案手法の有効性を検証した結果,本検証の範囲では,従来のひび割れ抽出ソフトと比較して,本提案手法を使用することにより,同等のひび割れ抽出精度を保持した上で,ひび割れ抽出作業時間を短縮し,かつソフトの操作回数を削減することが可能であることが示された.