2018 年 74 巻 1 号 p. 49-55
近年では,合成開口レーダ画像の広範な利活用が図られており,その1つに災害時における被災状況の把握がある.例えば災害前後の画像を使用して,DInSAR解析で微小な地表面変位が得られている.しかしこれまで実データを用いたInSAR解析におけるDEMの誤差の特徴の評価についての研究がほとんどないため,得られた地形縞の誤差の特性が把握されていない.著者らは不動点におけるDEMの誤差より,位相ノイズを評価する手法の検討を行ってきた.本研究ではDEMの検証点として,一様な標高の不動点である道路,駐車場,公園(学校の校庭含む)を取り上げ,標高の誤差を評価する.そして周波数,観測モード,撮影方向が異なる複数のペア画像を用いて,各不動点においてRMS誤差を推定し,基線長との関係を明らかにした.