2019 年 75 巻 1 号 p. 1-12
マンホール鉄蓋の表面模様は,直上を通行する車両等のスリップを防止する役割がある.この模様は車両等の往来により摩耗するため点検と更改が必要となるが,鉄蓋は数多くあるため効率的な点検方法の導入と模様の耐摩耗性の向上が必要である.効率的な点検方法として,鉄蓋の撮影画像を用いた方法が提案されているが,模様は数ミリの凹凸形状であるため,高解像度の機材で画角一杯に鉄蓋を収めて高い分解能の画像を撮影する必要があるという課題がある.そこで,本稿では,低分解能な画像において摩耗状態を判定し易く,従来より高い耐摩耗性を実現した模様を提案する.提案模様は,一定以上摩耗が進行すると表面模様の形状が変化する特徴があり,検証では耐久性向上と撮影画像からHough変換による直線検知を用いて模様変化を認識できることを確認した.