2021 年 77 巻 2 号 p. I_23-I_29
本研究では,橋梁点検の一部である所見記述に対してStructural Topic Modelを援用し,専門技術者の総合的な判断を利用した点検結果の分類および損傷形態の把握を試みた.点検所見には,これまで主に活用されてきた点検管理システムに入力された損傷程度といった定型的な項目以外の維持管理上重要な情報も含まれ,情報の抽出や解析を行えることにより,点検管理システムに蓄積するレコードの検証および簡略化や高度化に活用することができる.損傷種別ごとにトピックが形成され,また,北陸地域における早期劣化の一因であるASRに関する損傷を生じているなど特徴的な損傷形態をトピックとして抽出されていることから,今後の維持管理への活用可能性を示した.