2011 年 67 巻 4 号 p. I_305-I_314
日本でPFIが施行されて11年が経つが,建築設備に関するものが大半を占め,交通整備に伴う事業は約5%しか実施されていない.とりわけ,政府が主体的に整備を行ってきた道路事業においてはその実施において様々な実務上のボトルネックが存在している.本研究の目的は,世界のPPP事業の動向を調査し,事業方式と制度の比較分析を行い,日本への展望を示すものである.分析の結果,事業方式の課題と支援制度の重要性を示し,支払根拠と支援の透明性を確保した料金制度を定義した.さらに,日本の制度課題として,制度設計について言及し,地方道路公社が運営する一般有料道路への導入を提案した.