2012 年 68 巻 4 号 p. I_125-I_136
設計・施工一括発注方式は,設計と施工を一括で発注することにより,民間の優れた技術を活用し,設計及び施工の品質の確保,施工能力を踏まえた合理的な設計,設計から施工を通じた効率性などを目指す発注方式である.国土交通省の直轄事業においては,設計・施工一括発注方式による初めての試行工事が平成9年度に発注され,それ以来継続的に試行が実施されているところである.
本研究は,試行工事の経験が蓄積されてきている,国土交通省の直轄事業における設計・施工一括発注方式の実施状況を踏まえ,その適用にあたっての適性や条件を調査し,主要な工事内容毎の特性と適用の判断に際しての留意事項について考察し,提案したものである.