2012 年 68 巻 4 号 p. I_219-I_229
本研究では土木技術者の評価・育成の現状把握を目的に企業・自治体を対象としたアンケート調査を実施し,土木技術者に求められている評価・育成の仕組みに対する現状や課題の整理を行った.その結果,中小規模ゼネコンでは評価項目を決めて技術者評価を行っている割合が低いなど建設会社,建設コンサルタントといった業種・業態による違いがあること,技術者に対する評価項目が業務経験年数や業種・業態によって異なることがわかった.技術者育成の現状については,中小規模ゼネコンの約半数がOJTを制度化しておらず,キャリアプランを考える機会をあまり与えず,さらにはキャリアパス自体を作成していない傾向が強いこと,また,民間では資格取得支援をする割合が高い一方,自治体ではその割合が低いことなどがわかった.