最近30年間におけるセメント消費量の地域差におよぼす人口増加率の影響度合いを,土木・民需建築・官公需建築の3種類の建設需要発生要因ごとに明らかにした.各5年間ごとのセメント消費量の,前年度末時点での累積セメント消費量に対する比率の年間平均値として定義したコンクリート増加率をセメント需要の指標とした.各都道府県における各用途のコンクリート増加率,全世代人口1人当たりのコンクリート増加率および生産年齢人口1人当たりのコンクリート増加率を求め,全国をまとめて1地域とした場合の1人当たり平均値とのバラツキを定量化した.最近10年間においては土木向けと民需建築向けのセメント需要における生産年齢人口1人当たりのコンクリート増加率のバラツキが最も小さくなった.