2013 年 69 巻 4 号 p. I_57-I_68
我が国の国土構造は,首都圏をはじめとする大都市圏に,極度に集中した不均衡なものになっている.国が災害等で致命的な被害を受けるのを避けるためには,地域ごとに交通インフラを整備し,交流圏を形成させ,国土の多軸化,分散化を目指すべきである.特に東京への一極集中を是正するためには,大阪を中心とする西日本でのバックアップ体制強化が必要だと考えられる.
そこで,本研究では西日本でのインフラ整備を想定し,シミュレーションを行った.その際,GDPや人口,地方税収といった様々な指標を用い,西日本全体に及ぼす影響を,推定することとした.結果,これまで想定されていた以上に,大きな効果をもたらし得ることが示唆された.