2006 年 62 巻 1 号 p. 64-73
バリアが少なくゆとりのある歩行者空間は今後の社会において必要不可欠な社会基盤である.歩行者空間の整備に対する関心が高まっている今日,歩行者空間を安全かつ快適に整備するために,歩行者の経路選択行動に関する特性把握が一層重要となっている.従来,歩行者の経路選択行動に関する定量分析の多くは地区ごとに個別に行われており,多くの地区に適用できる一般性の高いモデル開発には至っていない.そこで本研究では,様々な形態を持つ京阪神都市圏20地区を対象とし,これらの地区に適用することのできる,汎用性の高い歩行者の経路選択行動モデルを構築した.