本研究では公的アカウンタビリティ概念とその発展系譜をとりまとめるとともに,アカウンタビリティの構造と機能について分析し,アカウンタビリティが果たす計画論的意義について考察する.具体的には,アカウンタビリティ概念の構造が,意味の構造,正統化の構造,支配の構造という3つの構造の複合体として把握できることを明らかにする.その上で,正統性概念が,実用的,道徳的,認識的正統性という3つの正統性概念により構成されることを明らかにする.さらに,不特定多数のステークホルダーが関与するインフラストラクチャの計画においては,認識的正統性を確保することが重要であることを指摘し,計画プロセスにおけるアカウンタビリティを確保するための課題について展望する.