2006 年 62 巻 4 号 p. 713-727
フライアッシュを細骨材の一部と置換する方法で比較的大量に使用したコンクリートの実用性の評価を目的として,レディーミクストコンクリート工場の実機プラントで製造したコンクリートをポンプ圧送し,試験用ブロックを作製することにより,コンクリートのフレッシュ性状および施工性を調査した.また,試験用ブロックを海岸部飛沫帯へ3年間曝露し,曝露期間中に採取したコアを用いて強度および耐久性に関する試験を行った.その結果,フライアッシュを細骨材の一部に置換した場合,粘性の増加を考慮することによって,通常のコンクリートと同様の施工が可能であるとともに,長期強度の増進,中性化の進行抑制および塩化物イオンの浸透抑制が図れることが実施工レベルで明らかになった.