2006 年 62 巻 4 号 p. 826-831
本研究は近年開発された低添加型膨張材による膨張コンクリートのひずみ特性を調べるため,若材齢期を中心とした長さ変化挙動を実験的に求めた.特に各ひずみ成分に分離を行うことを目的とし,配合条件や環境湿度を実験パラメータとしたコンクリートのひずみ計測を行った.そして,ひずみの重ね合わせ則に基づいて,若材齢期の膨張コンクリートの各ひずみ成分を求め,その特性について考察を加えた.その結果,標準添加量20kg/m3とする膨張コンクリートの(自由)ひずみ変化量は,ほぼ同じ配合構成で異なる環境下におけるコンクリートのひずみを用いることで,精度よく推定できることを確認できた.