2006 年 62 巻 4 号 p. 832-843
効果的な維持管理を行うためには,補修による効果を定量的に評価する必要がある.各補修工法の補修効果については,基礎的な検討は実施されているものの,補修後の再劣化に関する実データの蓄積が十分ではなく,補修効果の定量的な評価にまでは至っていない.本研究は,表面被覆工法・断面修復工法を対象として,塩害劣化環境下における補修効果を定量的に評価するためのモデルについて検討したものである.検討に当たっては,実構造物において,実際に表面被覆や断面修復が施工されたものを対象として,補修前後の遮塩性能を調査・分析することで,補修効果の定量評価を試みた.その結果,補修効果をモデル化して,補修効果を定量的に評価する方法について提案した.