土木学会論文集E
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和文論文
フライアッシュのポゾラン反応に伴う組織緻密化と強度発現メカニズムの実験的考察
山本 武志金津 努
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2007 年 63 巻 1 号 p. 52-65

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抄録

 フライアッシュのポゾラン反応は材齢91日以降に活発化し,モルタル中に形成される孔径20~330nmの区分細孔容積率は減少する.Ca, Si, Alを主要構成元素とするポゾラン反応相は,フライアッシュ粒子から放射状に成長し,若材齢時にフライアッシュ粒子近傍で形成された細孔を充填するため,組織の緻密化がもたらされる.材齢28日までは,フライアッシュ粒子周囲に形成された細孔が残存し,多孔質な水和物組織となるためにセメント単味の硬化体よりも低強度となるが,材齢91日以降活発化するポゾラン反応は細孔充填による組織の緻密化をもたらし,密実な水和物組織を形成するために強度が高まると推察された.

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© 2007 社団法人 土木学会
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