2007 年 63 巻 2 号 p. 262-273
鉄鋼スラグ水和固化体は,原料に製鉄工程により生じる副産物を活用し,通常のセメントコンクリートと同程度の20~50N/mm2の強度発現が可能なコンクリートである.しかし,鉄鋼スラグ水和固化体は,通常のAEセメントコンクリートに比べて凍結融解抵抗性が低いことも知られており,使用可能な地域が温暖な地域に限定されることから,その改善が求められている.本研究は,鉄鋼スラグ水和固化体の凍結融解抵抗性が劣る原因および凍結融解抵抗性を改善する方法を示し,リサイクル材料を主原料にした鉄鋼スラグ水和固化体が,一般のコンクリートと同様に建設材料として有効活用される技術開発を目的としたものである.