64 巻 (2008) 4 号 p. 515-525
液体浸漬によりコンクリートの静的圧縮強度が低下する原因を明らかとするため,応力-ひずみ曲線のヒステリシスの面積より算定されるひび割れ進展エネルギーに着目し,コンクリートの圧縮破壊過程に関するエネルギー的考察をおこなった.その結果,ひび割れ進展エネルギーは微細ひび割れ形成時の表面エネルギーと密接に関係しており,ひずみの増大にともなって累乗的に増加すること,さらにひずみ比が同一であれば供試体の含水率が高く浸漬液体の表面張力が大きいほど減少することが明らかとなり,液体浸漬によるコンクリートの静的圧縮強度の低下は微細ひび割れ形成時の表面エネルギーの低下に起因していることが示された.