66 巻 (2010) 3 号 p. 255-267
フライアッシュをコンクリートに混和した場合,フレッシュ性状の向上,水和熱の低減,ASRの抑制,細孔組織の緻密化などが期待できる一方,コンクリート中のアルカリ性が低下することで,中性化や鉄筋腐食に対しては配慮が必要との指摘もある.今後,フライアッシュを用いたコンクリート構造物の耐久性評価を定量的に行うにあたっては,いくつかの要因の影響を総合的に勘案する必要がある. 本研究では,フライアッシュの種類や混和方法を変化させたモルタルあるいはコンクリート供試体を用いて,フライアッシュの混和がセメント硬化体中の塩害による鉄筋腐食環境に与える影響を検討した.この結果,適切にフライアッシュ種類や配合条件を選定した場合に,塩化物イオンの浸透抑制効果や鉄筋防食効果が得られる可能性があることがわかった.